宇宙について最も理解しがたいことは、それが理解可能だということである
数学者と物理学者とでは
答えにたどり着くまでのアプローチが正反対。
物理学者は観察し、仮説を立て、実験によって実証していく。
観測によって、正否が問われる。
しかし数学者は すべて頭の中でシミュレーションしていく。
数式に無矛盾がなければ、真になる。
現実世界では観測に難しい、次元も越えてゆく。
物理学で、仮説で数学の数式で用いて、現実をとらえらることは本当に不思議。
数学では、不完全性定理という、あやうい証明があるにもかかわらず。
数学の法則は現実の世界について何か教えてくれる限り、不確実であり、確実である限り、現実の世界について何も教えてはくれません。
宇宙について最も理解しがたいことは、それが理解可能だということである。
―アインシュタインの言葉
内なる意識の世界を確保しつつ、「私の意識だけがすべてだ」という独我論にも陥らない抜け道はどこかにあるのではないだろうか。
誰にでも内なる意識の世界があり、にもかかわらず、お互いの心についてある程度分かりあえ、しかも実在の世界についてもある程度確実に知りうる、ということ。
これほど健全な絵を整合的に描いてみせることがこうも困難だということが、むしろ驚きに感じられてきた。