虚時間仮説
ホーキングのわかりにくい理論のひとつに「虚時間仮説」というものがあります。
これは、虚数の虚なんです。時間の流れが虚数だという仮説です。
「人の数だけ時間がある」のつぎは、「虚数の時間」の登場です。
どうしてホーキングがそういうことをいいはじめるかというと「計算がちゃんとできるから」だそうです。
これは、数学的な話になってしまいますが、虚数の時間を使うと、宇宙がはじまった時の計算がうまくできるんですよ。すると、そこからさまざまな予想がでてくる。
(ああ、そうなんだ!じゃあ、宇宙のはじまりのときは、いまとちがって、時間っていうのは実数じゃなくて虚数だったんだ!!)
するとホーキングは、涼しい顔をして、「いいや、宇宙のはじまりの時間は虚数とは限らない」と答えるんです。
(え?じゃあ、時間っていうのは本当は実数なの?虚数なの?どっちなの?)
時間というものが実在すると言っているから、「それはほんとはどういう性質をもっているのか?」ということを考えるわけですね。ところが、ホーキングにとっては、それは意味のない問いなんです。
計算が出来ればそれでかまわないのだから、実数であろうが虚数であろうが関係ないだろうっていうわけなんです。
それでホーキングは計算をやってみて、宇宙の初期にこういう予測ができました。こういう宇宙を考えると、それが発展して、いま現在われわれが住んでいるみたいな宇宙になります-という論文を発表するんですね。
ホーキングは実証主義。
それでは、自分は?
あなたは?