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弟とチェス

今日弟と電話で話しました。
先日ギリシャへ家族でバカンスしたとのこと。
なんて贅沢で羨ましいですw
海がきれいだったっていってました。
お土産を送ってくれたとのこと。
いつも、気づかってくれて、ありがとうございます。
体、お大事にね。

弟が近々誕生日なので、いつも眺めている、パンフレットにのっている欲しいと思っているチェスを、お嫁さんがプレゼントしてくれると、喜んでました。
チェス熱冷めませんね。
お嫁さんもやさしい方です。
弟のHPの日記はチェスのことだらけ。
チェスに対して、考えが変わった内容があったので、自分のブログで、コピペしていい?と、たずねたところ、こころよくOKしてくれたので、下記にあらわします。
彼は、チェスは芸術にも科学にも似ていると言います。

8月4日(火)
将棋の羽生さんは、チェスも真剣にとりくんでいることで有名で、
ピノーが日本の滞在していた時、彼のところに通ってチェスを指導してもらったり、
フランス王者のロチェに一時期トレーナーになってもらったりもしていたそうです。
現在、FIDE Master(Grand Master, International Masterに続く3番目の称号)で、
国際大会でも時にはGrand Masterに勝つこともあり、いい成績を出しているようです。
本の中に書いてある

>実は、私もチェスをやるのですが、カスパロフが世界選手権を戦ったときの様子を見て、
>いいアイデアを一つ思いついたのです。
>そのアイデアが正しいかどうかをコンピュータに考えさせて完成し、
>勝負に使って勝ったことがあるのです。

という内容からも、相当真剣にチェスに取り組んでいるっぽいです。
フィッシャーの棋譜も相当研究した、と言っています。
著書「先を読む頭脳」の中でも

>同様に「天才」を感じる棋士では、
>将棋界ではなくチェスの世界のボビー・フィッシャーという方がいます。
>千九七二年に世界選手権を制して、アメリカに初めてチェスの世界タイトルをもたらした英雄です。
>私がフィッシャー氏に惚れ込んだ理由は、何よりも彼が残した棋譜の素晴らしさにあります。
、、、
>絵画や音楽などの芸術と同様に理屈では説明できない世界で、
>一目見て「凄い」と感じる美しさがあるのです。

と書いてあり、他のところでも

>私の将棋はミスも多いですがフィッシャーさんは最初から最後まで完璧に近い。
>神の領域に近づいている人です。

と書いています。
アメリカ政府がフィッシャーのパスポートを無効にした(そして本人はその事を知らなかった)ため
フィッシャーが日本で拘束された時、
羽生さんは首相にフィッシャーのために嘆願状を送ったそうです。
その中の文章に、

>フィッシャーさんはチェス界のモーツァルトのような存在で

と言及し、フィッシャーが安全に日本でチェスをできる環境を嘆願したそうです。

で、その羽生さん、超一流雑誌というか権威誌「Chess Informant」(年3回刊行)の
2006年の大会結果報告のページに20~40位入賞で
ちらっと名前が載っていたようです↓

Chess Infomantに名前が載るなんてすごいっす。
Chess Infomantに棋譜が掲載される日も近いかもしれません。
また、Chess Infomantほど強い権威があるわけではないけれども、
有名な雑誌「Yearbook」(年4回刊行)に
「The Sword of the Samurai」と題して棋譜が紹介されたようです↓

定跡にちょっとした貢献をしたそうで、
セミ・スラヴ式防御の「いままでめったに考慮に値するとは考えられて来なかった応手」
が意外にいけるかもしれない、ということを発見したようです。
これも参照。


羽生さんがGrand Masterになってくれたら、日本でチェスが急速に普及したりするかも?
ちなみに、先進国でここまでチェスが普及していないのは日本だけらしいです。
お隣の中国は、チェスに国家的に力を入れており、
成績の優秀な棋士には国が生活の面倒を見てくれるらしいです。
そういった棋士が約50名、中国にはいるそうです。
その甲斐もあってか、女性世界チャンピオンを3名も中国が輩出しました。
現(男女共通)世界チャンピオンがインド人で、
前女性世界チャンピオンが中国人(現女性世界チャンピオンはロシア人)、
とチェスの中心はもはやヨーロッパからアジアに移りつつあるのかもしれません。
(でも、アーナンドが傑出しているだけでインドのチェス選手の層は薄く、
やはりロシアや欧米の層の方が厚いですが、、、)


ちなみに、「Chess Informant」は"language-free"で書かれています。
つまり、本の中身はすべてびっしりと記号のみ。
棋譜での駒の表記は絵記号。
どの国の人でも読めます、というのが1つのウリ、
というかチェスする人は世界中どの国にもいるのでそうしないとやっていけないのでしょう。
局面評価(白勝勢+-、白優勢+/-、白僅かに優勢+/=、互角=など)も記号にし、
棋譜とサイドラインの膨大な解析譜と局面評価の記号のみで成り立っている本です。
以前、London Chess Centerでペラペラと本をめくったら、圧倒されました。
もちろん、記号のみで成り立っている事のみではなく、その内容の濃密さからもです。
こんなの人間が読む本じゃない、読んでいる人は一体どんな人なんだろう、と感じました。
僕がお遊びでやっているようなチェスとは次元が3つも4つも違うのを感じました。
で、ふと隣を見ると、棋士っぽい人がふんふん、と立ち読みして
「Chess Informant」と「Yearbook」を買っていきました。
カスパロフは、"We are all Children of the Informant"と語り、
トッププレーヤーは大会準備には「Chess Informant」は必須らしいです。
僕も今度「Chess Informant」と「Yearbook」を買ってみようかなぁ、
トッププレーヤーの世界の雰囲気ぐらいは味わえるかも。
ちなみに、IBMのスーパーコンピューター「Deep Blue」とカスパロフの歴史的マッチについては、
「Chess Informant」は1局も掲載していません。
理論的価値なしと判断したのでしょうか。

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